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アイテール界の上昇(エノク魔術)

エノク魔術は、エリザベス1世の占星術師でもあったルネサンス期のイギリスの高名な神秘主義思想家ジョン・ディーが、霊媒を使って得た知識に由来します。
そして、ゴールデン・ドーン系の魔術師によって発展させられました。

エノク魔術はカバラ以上に複雑な、独立した体系を持った魔術です。
ゴールデン・ドーンの魔術は、カバラの象徴体系に基づいていると思われていますが、実際には、高等な魔術であるほどエクノ魔術を重視する傾向があって、事実上、エノク魔術がカバラ魔術の上に置かれています。
エノク魔術は個人的な性質が強くて、集団ではなく個人で儀式を行ないます

エノク魔術は30の「アイテール」と呼ばれる階層的な象徴世界と、「物見の塔」と呼ばれる縦27、横25、合計675の区画を持つ方形の象徴タブレットを基本としています。

71pIeE.jpg
* 物見の塔の構成パーツを掲載した表紙

そして、エノク魔術ではエノク語という、21のアルファベットのある正体は不明の言語を使って行われます。 「アイテール」は神から物質世界にいたる階層的構造を持った象徴体系で、カバラで言えば「セフィロート」に相当します。

カバラの「生命の樹」の象徴体系では、10のセフィロートの間をつなぐ22の小径を通って、セフィロートを一つ一つ登っていく「パスワーキング」と呼ばれる瞑想(厳密に言えば「夢見の技術」)を行います。
「パスワーキング」の技法については、姉妹サイトの「夢見の技術」の「西洋魔術のパスワーキング」を参照ください。

エノク魔術で「パスワーキング」に相当するのが、30のアイテール世界を、最下層から順に上昇していくヴィジョンの旅です。
まず、各象徴の勉強を行い、それを念じて無意識の中に連想の構造を作りあげる期間が必要です。
その後、目標を設定して、夢見の状態に入ってヴィジョンを体験します。
各アイテールでは、そこの風景を探索したり、印象を感じたり、霊的存在に出会ってコミュニケートしたり、闘ったりすることで、何かを学んだり、人格を変容させて、順に次のアイテールに進みます。

「パスワーキング」やアイテール上昇の旅は、ヴィジョンの細部をコントロールしないで受動的に体験するという側面から見れば、「夢見の技術」ですが、象徴体系を基にした場面設定、大枠の筋書を決めているという側面から見れば、「観想」という瞑想法と言えなくもありません。

上記の姉妹サイトの「夢見の技術」の「パスワーキング」の文章は、技法と中心に書きました。
当サイト「世界の瞑想法」のこの文章は、象徴や体験内容を中心に書きます。

以下、ジェラード・シューラーとアレイスター・クロウリーの著書を参考にして、簡単に紹介しましょう。
ちなみにこれはエノク魔術でも、ゴールデン・ドーン正統派とは少し異なるようです。


まず、準備的作業として、「アストラル・プロジェクション」と呼ばれる霊体離脱的観想の練習をします。
自分の体から意識(アストラル体)が抜け出し、自分の体の前に立って、自分自身と回りの世界を観察する練習をします。

次に、「物見の塔」の各タブレットの区画の象徴世界(4元素)に入る瞑想(夢見)をします。
区画を扉として観想し、それの扉を開いて、その象徴の世界に入り、そこの霊的存在とコミュニケーションを行います。

次に、「諸天上昇」の観想を行います。
体から上方に意識(アストラル体)を抜け出し、天井を抜け、どんどん上昇し、諸天を上がっていきます。
上昇するに従って、意識は集中した状態(いわゆるサマディ)になっていきます。

そして、下層から30のアイテールの象徴世界に入って、順次上昇していく瞑想(夢見)を行います。

(30)テクス
地の元素に関わるエーテル界(気の世界)で、夢を見ている時に無意識に入っている世界です。
四方にカルマ、願望、沈黙、制限といったイメージの世界を持ちます。

(29)リイ
ここからはアストラル界(感情の世界)に入ります。
ここは世界の宗教の天国、煉国に相当するところで、カルマの処罰や肉体のない生の意識に直面します。

(28)バグ
天使を剣で倒す体験によって、自分の深層にある隠された罪の意識と直面します。

(27)ザア
重苦しい孤独感がのしかかりますが、それを力として受け止め、個性を獲得しなければいけません。

(26)デス
環境から生まれた自分の下位の自我を反映した霊的存在と出会い、これを認識することで脱ぎ捨てます。

(25)ウティ
意識と神的意識の中間に当ります。ここでは守護天使を反映した霊的存在に出会います。

(24)ニア
アストラル界の最上部に当り、時空の移動を学びます。

(23)トール
メンタル界(思考の世界)の最下部にあたります。
ここではメンタル界の風の性質を、そしてより下の世界を創造、安定させる力とその労働を体験します。

(22)リン
有形の世界と無形の世界の中間に当り、自分が目そのものになって上下にその世界を見ます。

(21)アスプ
色も形も音のなく完全な孤独の中で、時間と運命が一緒に流れているのを感じます。
ほぼ「テイファレット」に対応します。
輪廻する自分を反映した天使と出会いますが、彼は下界のみを見おろし、冷たい流れを放出しています。
彼とは純粋な概念でコミュニケートします。

(20)クフール
世界全体を巨大な回転する輪として見て、宇宙的なカルマの意味を学びます。

(19)ポップ
イシスやダキニに相当する女性的な流れの秘儀参入に出会います。

(18)ゼン
ホルス、磔や自己犠牲の男性的な流れの秘儀参入に出会い、地上的な自我の解体を経験します。

(17)タン
カルマの天秤を見ます。自分のカルマと対面にて認識します。

(16)レア
死と再生の流動を感じます。
自分自身の消滅しつつある部分を反映した古い王があらわれ、新しい王を嘆きます。
この新しい王は生まれつつある自分自身の霊的人格です。
美しい女性が現れて彼女に魅惑されるかもしれません。

(15)オクソ
存在自体の強烈な喜びを感じます。
天使達が踊り、歌う様子を見ます。
そして男性性と女性性が結合する薔薇十字の秘儀参入を体験します。

(14)ウティ
ヘルメス神が案内する厳格で死の感触を持ったピラミッドの都市があります。

(13)ズィム
金色の庭があり、愛や友情を広げる存在がいます。

(12)ロエ
女性的な流れがあり、聖者の血が満たされた聖杯を見ることができます。
憐れみをもって聖杯に自分の血を満たす秘儀参入を行います。

(11)イクー
メンタル界の最上部に当り、灰色の聖なる都市があります。
ここは「深淵」に接していて、緊張に満ちた兵士がいます。

(10)ザクス
メンタル界と霊界の間の「深淵」で、「ダート」に対応します。
ここは混乱した感覚に満ちています。自分自身のカルマの産物である悪魔と出会うと、沈黙を維持しなければいけません。
自分に利己性が残っていると、天使は炎でそれを燃やすので、恐怖を感じてしまいます。

(9)ズィップ
兵士達の間を越えて宮殿への訪問を行います。
この宮殿は幼い裸の女性でもあって、ここは幸福とエクスタシーに満ちています。

(8)ズィド
光のピラミッドがあり守護天使がいます。
彼とコミュニケートして、自分自身の霊的性質を理解します。

(7)デオ
愛の感覚を感じます。
宇宙的な孔雀であり、火の性質を持った女神がいます。

(6)マズ
トート神がいて様々な幻影を作り出しています。
迷宮を越えていくと宮殿があり、その中には自分のカルマの残りを保存する壷があります。

(5)リト
神の姿を見ることはできないが、真理の燃える矢のヴィジョンを見ます。この矢はすべての動きを生み出す宇宙的な不動の矢です。
エロスと名乗る金色の子供を白い矢で射ると、逆に黒い矢が自分自身にささります。

(4)パズ
千の腕を持った恐ろしい神が女性と抱き合うのを見ます。
そして様々な力が2極化するのを感じます。

(3)ゾン
「コクマー」に相当します。
ヴェイルの中にいる魔術師を見ようとします。
自己と宇宙の間の高い知識を認識します。

(2)アルン
強烈な幸福の感覚に溢れ、宇宙の創造の意味を認識します。

(1)リル
まず闇の中で平和に侵っていると、大天使に囲まれた子供を見ます。
天使に導かれて子供の元に導かれると、至福を感じ、賛歌が聴こえます。
ここはすべてが一なる状態で、「王冠(テケル)」を戴き、勝利する子供の領域です。


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