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生まれなき者の儀式(ゴールデン・ドーン)

「ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け・黄金の暁)」は、19世紀末に結成された魔術結社で、おそらく、ヨーロッパの本格的な「高等魔術」、「儀式魔術」を初めて体系化して実践した結社です。
現在にいたるまで、まともな魔術結社はすべて「ゴールデン・ドーン」の影響を受けていると言って良いでしょう。

「高等魔術」は「カバラ」などの伝統的な象徴体系を用いた瞑想や儀式を行います。
象徴の瞑想を通して人格を広げ、個人的な欲望を利他的で創造的なものに変容させます。
「儀式魔術」は、集団で演劇的に行う魔術です。
心理学的に言えば、個々人が観想による象徴を操作を行いながら、物語として象徴を深層意識で体験することで、象徴を無意識に根付かせ、活性化し、意識を統合し変容させます。

ゴールデン・ドーンの魔術では、魔術師が直接的に帰依すべき存在は「守護天使」と呼ばれます。
「守護天使」は、現代の心理学などで一般に「ハイヤーセルフ」と呼ばれるような存在でしょう。
真の自己とか、本来的自己とも表現できますし、個人の心の全体を理解して創造的な判断を行える無意識の知を人格化した存在でしょう。

自我の利己的判断を捨てて守護天使に帰依することは、自我に起因する無意識の力の様々な危険を避けるための唯一の方法で、魔術にとって絶対的に必要な条件とされています。
守護天使の元で行われない魔術は、すべて利己的な黒魔術になりがちです。
高等魔術は、日常の自我が主体となって行なうものではなく、守護天使である深層の自己が自我を通して行なうものなのです。

ゴールデン・ドーンでは守護天使を白く輝く「光」としてイメージします。
カバラの「生命の樹」の象徴で言えば、「ケテル」、「コクマー」、「ビナー」という最も高い3つのセフィロートに対応します。

ゴールデン・ドーンでは、守護天使を召喚する様々な儀式が行われました。
インナーサークル(ルビーの薔薇と黄金の十字架)の入門儀礼として行われた「生まれなき者の儀式」の核心部分を紹介します。
全体としては集団で行う、複雑に体系化された儀式魔術なのですが、その一部の観想的側面を中心に、簡略的に説明します。


最初に、「カバラ十字」、「五芒星形の儀式」、能動・受動の「霊の召喚の五芒星形の儀式」などを行った後、次のような観想を行います。

・まず、自分自身をエーテル(気、天上の素材)でできた黒い卵として観想します。

・その真ん中(生命の樹のティファレットのセフィラに対応します)から「蓮の棒(これは魔術の基本的な道具の1つです)が高く伸びていき、大宇宙の頂(テケルに対応)にまで到達します。

・棒の上方に天使の姿できらめく白い光が降りてきます。
「彼は光の力の内に入り来たり。彼は智慧の光の内に入り来たり。彼は光の慈愛の内に入り来たり。その光は両翼の内に癒しを持するなり。」と唱えます。
これも生命の樹の象徴を元にした表現です。

・棒の先端に花が開きます。
「我は復活にして生命なり。…我はオシリス・オノフリスなり。…」と唱えます。

・花の中に光が降りてきます。
「唯一賢き、唯一強大なる、唯一永遠なる者よ。…汝が神聖なる神々の影響力は我が頭上に降り来るべし。…」と唱えます。

・光が棒の柄の部分をつたって卵の中央まで降りて来て、自分自身を取り巻く黒い卵が次第に輝き出し、白い光となります。
「彼の光よ、闇より起きるべし。…今、我が瞳は開かれたり。…」と唱えます。

・再び、光を呼び降ろします。
「聖なる霊の白き輝きよ。降り来るべし。」と唱えます。

・再び、光の輝きと放射を観想し、柄を自分の胸に引き寄せます。
「我は神なり、情深く強き不死の炎の内を見る生まれなき霊なり。…すべての精霊を我に従わしめ、…我に従順ならしめよ。…」と唱えます。

・十分に神性を意識して、「我が心は高次なるものに向け開かるべし。我が胸は光の中枢となるべし。我が体は薔薇十字の神殿となるべし。」と唱えます。

最後に、「五芒星形の追儺の儀式」を行い、日常に戻ります。

日常的な自我と守護天使・神は別なものなので、同一視してはいけません。
これを間違うと、ユンクが言った「自我のインフレーション」に陥ってしまいます。

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