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クンダリニー・ヨガ

インド中世のタントラ思想の影響で生まれた、身体的・力動的なヨガを「ハタ・ヨガ」と呼びます。
「ハタ・ヨガ」については「ハタ・ヨガとは」をご参照ください。

「ハタ・ヨガ」の主な経典は、『ハタ・ヨガ・プラディーピカー』、『ゲーランダ・サンヒター』、『シヴァ・サンヒター』などです。
この投稿では、上記の3経典をベースにして説明します。

「古典ヨガ」が心身の止滅を目標とするのに対して、「ハタ・ヨガ」はプラーナのコントロールによって、心身を活性化することも目標とする傾向があります。
「ハタ・ヨガ」では、クンダリニー、あるいは女神シャクティとして捉えられる身体内に眠るエネルギーを目覚めさせることを核心としています。
このエネルギーは会陰部の「ヨーニ」に眠っている気(プラーナ)のエネルギーで、これをシヴァ神の座で、頭にある「ブラフマランドラ」にまで上昇させる行法を重視します。
一般にこれを「クンダリニー・ヨガ」と呼びます。

「クンダリニー・ヨガ」は、「ハタ・ヨガ」の各経典の各所で、様々に記載されています。
ここでは、主な方法を、抜き出して紹介します。
経典では読んで実践できるように具体的に書かれていませんし、現在でも、こうすべきという定まった方法論があって公開されているわけではありません。
ですから、あくまでも参考程度のものだと思ってください。

最も中心的な行法は、「シャクティ・チャーラニー・ムドラー」と「ヨーニ・ムドラー」です。
また、準備的、要素的、あるいは副次的な行法には、3つのバンダ(バンダ・トラヤ)、3つのマハー・ムドラー、特別な調気法の「バストリカー」などがあります。

まず、要素的な行法である「バンダ・トラヤ」やついて説明します。
「バンダ・トラヤ」は、次の3つのバンダを結びつける方法です。
・「ムーラ・バンダ」:肛門を締め上げる。
・「ウディヤーナ・バンダ」:腹筋を締め上げる。
・「ジャーランダラ・バンダ」:喉を引き締める。

「クンバカ(止息)」と「バンダ・トラヤ」を結びつけると下記のようになります。
1 息を吸う
2 ムーラ・バンダを行い、アパーナ気(ヘソから肛門の間の気)を引き上げる
3 ジャーランダラ・バンダを行い、プラーナ気(鼻から心臓の間の気)を下げる
4 クンバカを行い、アパーナ気とプラーナ気をヘソの部分にあるサマーナ気と結びつける
5 ウディヤーナ・バンダを行い、気をスシュムナー管の中に入れる
6 息を吐く

ちなみに、「クンバカ」には、「壺のように」という意味があり、ヘソの下の部分に壺があるように、そこにプラーナとアパーナを閉じ込めて、サマーナを加熱することで、クンダリニーの覚醒につなげます。

3つのマハー・ムドラーは、セットとして行うもので、それらは下記の方法です。

・「マハー・ムドラー」
1 左足のかかとで会陰部を圧迫し、右足を前に伸ばしてその足を両手でにぎる。
2 ジャーランダラ・バンダとムーラ・バンダを行うと、クンダリニーが目覚め、左右の脈管(イダーとピンガラ)には気がなくなり、その後、ゆっくり息を吐く。
3 今度は左足を伸ばして同様に行う。
4 さらに左右を順に繰り返す。

・「マハー・バンダ・ムドラー」
1 左足のかかとを会陰部にあて、右足を左股の上に置く。
2 かかとをゆっくり動かして会陰部を圧迫し、ムーラ・バンダを行う。
3 息を吸ってジャーランダラ・バンダを行ってプラーナが上に上るのを止め、スシュムナー管に意識を集中し、クンバカを行ってからゆっくり吐く。

・「マハー・ヴェーダ・ムドラー」
1 左足のかかとを会陰部にあて、右足を左股の上に置く。
2 息を吸ってジャーランダラ・バンダ、ウッディヤーナ・バンダとクンバカを行う。
3 両手を揃えて床につけ、尻を少し持ち上げてからゆっくり床に打ち付けると、気がスシュムナーに入る。

「バストリカー」は、スシュムナー管のつまりである3つの結節(グランティ)を破壊するための方法です。
1 蓮華座(両足を両股の上に載せて)で座る
2 力を込めて鼻から音を立てて息を吐き、喉から心臓まで音を立てて息を吸う(ウジャーイー)
上記の3つのバンダを行いながら以下の呼吸をする
3 左鼻を右指で押さえて、右鼻から息を吸う
4 両指で両鼻を押さえてクンバカ
5 右鼻を左指で押さえて、左鼻から息を吐く
6 今後は逆の鼻で行う
7 以上をフイゴのように繰り返す

「シャクティ・チャーラニー・ムドラー」の方法は経典によって異なります。
『ハタ・ヨガ・プラディーピカー』によると下記のような方法です。
1 蓮華座(両足を両モモの上に乗せる)で、両手で両足のくるぶしをつかみカンダ座(ヘソと肛門の中間部)を圧迫する。
2 ウディヤーナ・バンダを行ってクンダリニーを動き出させ、スシュムナーを少し上昇させる。
3 さらにバストリカーを盛んに行う。

『ゲーランダ・サンヒター』によると、下記の方法です。
1 シッダ・アーサナ(一方の足のかかとを会陰部に押し当て、他方の足のくるぶしを性器の上に置き、あごを胸に付け、眉間を凝視する)で座る。
2 プラーナを吸い、アパーナとつなぐ(多分ジャーランダラ・バンダを使う)。
3 アシュヴィニー・ムドラー(肛門の閉めたり緩めたりし続ける)によって気をスシュムナー管の中に入れる。
4 クンバカによって、クンダリニーを目覚めさせる。

「ヨーニ・ムドラー」は、「シャクティ・チャーラニー・ムドラー」を行った後に行います。
「ヨーニ・ムドラー」の方法は経典によって異なります。

『ゲーランダ・サンヒター』によると下記のような方法です。
1 シッダ・アーサナで耳・目・鼻・口を指で押さえて閉じる。
2 カーキー・ムドラー(口をカラスのようにとがらせてゆっくりと息を吸う)でプラーナを吸い、アパーナとつなぎ、フムとハンサのマントラを唱えて、6つのチャクラを順に思念する。
3 クンダリニーが目覚めさせ、サハスラーラ・チャクラまで上昇させる。
4 シャクティがシヴァと合体したと観想し、「我はブラフマン」なりと実感する。

『シヴァ・サンヒター』によると下記のような方法です。
1 ムーラダーラ・チャクラにシャクティ女神の姿を観想し、その上の微小な光(クンダリニー)とアートマンを一体化すると観想する。
2 クンダリニーをサハスラーラ・チャクラまで上昇させる。
3 サハスラーラから甘露(アムリタ、霊液)を下降させると共に、シャクティをムーラダーラ・チャクラに戻す。

シヴァ神の座である「ブラフマランドラ」は、サハスラーラ・チャクラの場所ですが、具体的には、一般に、頭頂部分とされます。

また、一般に、甘露を発生されるのは、サハスラーラより下方のチャンドラです。
ちなみに、舌を喉の上部に上げ入れて、この甘露を飲む行法を、ケーチャリー・ムドラーと言います。
また、甘露は、イダーから降ろすと、全身を滋養するとされます。

一方、シャクティ女神の座は「ヨーニ」とか「クラ」、「カンダ」と呼ばれることもあり、一般的にはムーラダーラ・チャクラの場所ですが、古くはへソのマニプーラ・チャクラにあるとされました。

以上、それぞれの記述は省略して書かれていますが、実際には、全体を組み合わせて行うのでしょう。

経典での記述は以上のようになっていますが、現代の様々な情報によると、ブラフマランドラまで上げたシャクティは、その後、頭頂から抜くという方法が説かれることもあります。

また、いきなりクンダリニーの上昇によって結節を破壊するのではなく、ブラフマランドラから気を降ろして結節を緩めたり、さらにムーラダーラ・チャクラから部分的に気を上昇させて結節を破壊してから、クンダリニーを上昇させる、と説かれることもあります。

また、先にブラフマランドラからアムリタ(甘露)、もしくはシャクティを降ろす時、チャクラが開くとか、先に気を降ろしてチャクラを開いておく、と説かれることもあります。

* 後期密教のクンダリニー・ヨガに当たる チャンダリーの火 もご参照ください。 
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「3 バンダを行いながら以下の呼吸をする」というのはおかしい。
バンダは止息時に行うものだ。
ムーラとジャーランダラは吸気後、ウディヤーナは吐気後に。

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

おっしゃる通りですね。
ただ、誤解させる表現ですが、そういう意味で書いたつもりでした。
「呼吸をする」は止息も含めたサイクル全体の意味で、それをバンダと結びつけて行うと。
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