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グルジェフ・ワーク

ゲオルギイ・グルジェフは、20世紀前半にモスクワ、グルジア、コンスタンチノープル、パリ、アメリカなどで活動した著名な神秘主義者です。

* 彼は、性格分析で知られる「エニアグラム」を現代社会にもたらしたこと、ロックミュージシャンのロバート・フリップやジャズ・ミュージシャンのキース・ジャレットが心酔したことでも知られています。

グルジェフの思想のバックボーンは明らかになっておらず、一般に、イスラム系神秘主義のスーフィズムや秘教的キリスト教とされていますが、他の影響があるかもしれません。

彼の思想の実践的な側面の特徴は、一言で言えば、機械的・習慣的に行動している状態から目覚めることでしょう。
そして、実践的な修行は、「ワーク」と呼ばれ、様々な方法、段階があります。
これらの中にはヴィパッサナー瞑想とも共通点の多い方法があり、それらは「気づき」、「観察」を重視した瞑想法と言えるでしょう。

1 まず、「自分に関するワーク」から始まります。

(1)その最初に行うのは、「自己観察」です。

これは、自分の人生を振り返りつつ、性質など、自分を客観的に見つけることで、瞑想ではありません。
単に過去を振り返るだけではなく、日々の自分の行動を観察します。

(2)次が、「自己想起」です。

これはヴィパッサナー瞑想とほぼ同じで、自分自身の行動、心を自覚することです。
自分を観察している自分も自覚します。
この時、機械化され、習慣化された自分の行動、思考、感情を対象化して意識し、本当の自分自身をそれから切り離された存在として感じます。

とは言っても、自覚を保ち続けることはなかなか難しいので、2つの方法を使います。
一つは、簡単な「小さな目標」を立てて行うこと、もう一つは「目覚まし時計(アラート)」と表現されますが、特定の場面で自覚を思い出すようにすることです。

「小さな目標」は、例えば、この信号から次の信号まで歩いている間、自己想起を続けよう、といった方法です。
「目覚まし時計」は、例えば、鏡を見てひげを剃る時には自己想起を思い出そう、といった方法です。

また、朝晩に決まった方法で行うことも一般的です。

朝起きた後、まず、目を閉じて、右足の感覚に集中します。
次に集中ポイントを、左足、右腕、左腕、という具合に移します。
そしてその全体を同時に意識します。
次に、聞こえてくる音に集中します。
次に、目を開いて、見えるものに集中します。
(ゴエンカ流のヴィパッサナー瞑想と似ています。)

寝る前には、1日の行動を分単位で遡って振り返ることで、どれだけ意識的に行動したかを確認します。
思い出せない時間は、自覚が低く機械的に行動していたことになります。
また、朝と同様に体を意識して、寝入るまで自己想起を続けます。

また、「ムーヴメンツ」と呼ばれるダンス(体操)を行いながらの自己想起も重要な行法です。
「ムーヴメンツ」は日常の動作とは異なる、幾何学的で、複雑な動作、例えば、腕、足、頭などを別々のリズムで動かすなどで作られているため、注意を払って意識的に行わないと踊ることができません。

「ムーヴメンツ」の前に行うエクササイズに「右腕を覚えていること」というのがあります。
これは、右腕を意識しつつ、外からの感覚、内からの反応のすべてを意識するという方法です。
これは複数の対象を同時に意識することを簡単に体験できるもので、「ムーヴメンツ」でもそれを目指していることを理解することに役立ちます。

「ムーヴメンツ」では、動作に沿って身体の各部分への集中ポイント移動をさせていくとともに、頭ではリズムを数え、ハートではフィーリングを感じようとするので、3つの異なる種類の対象への集中を同時に行います。

* 「ムーヴメンツ」に関しては下記動画を参照してください。
http://www.youtube.com/watch?v=KMA8uQfCQWM

また、「ムーヴメンツ」の最中に、指導者が不意に「ストップ」という号令をかけて、ダンスをその時点の動作のままに停止することを行います。
これは、とがれがちな自覚の継続をしっかり行うためのものであり、「ストップ」をかけられることで、その時点での自己想起をはっきりと確認することができるようになります。
「ストップ」をかけるタイミングは、意識化がとがれがちな動作の最中を狙って行います。
この「ストップ」の行法は、スーフィーの修行で良く行われる方法です。

「自己想起」の本質の一つは「注意力の分割」と呼ばれるもので、同時に2つ以上のことを意識することです。
例えば、自分が感じている対象と、自分自身を同時に意識します。
そして、「中央に立つ」とも表現されますが、両方(主体と客体)のどちらからも距離と取ります。
すると、「第三の世界」とか、「存在の世界」と呼ばれるものが立ち現れます。
本当の自分が存在しているという感覚です。

ラマナ・マハリシやニサルガダッタ・マハラジの瞑想法とも似ているように思います。

「自己想起」は、最終的には一日中行える状態を目指します。
また、それを通して、あるがままを認識できることを目指します。

(3)次は「行動への干渉」で、習慣化された自分の行動・思考を、少しずつ変えていく訓練です。

2 次は、「他人とのワーク」です。

他人との関係の中で生まれる感情を自覚します。
「自己想起」をこの感情に焦点を絞って行うわけです。
そして、感情を表に出さないように訓練します。
こうしているうちに、感情の質が変わり、自然で客観的なものになります。

3 最後は、「ワークのためのワーク」と表現されます。

一緒に修行するグループに対して、無私の奉仕を自主的に行うことです。
これは瞑想という範疇ではないでしょう。

グループでのワークは、自己想起にも役立ちます。
自己想起をしている人間を外から観察すると、表情などに微妙な違いがあります。
互いに観察することで、自己想起を行うことを思い出させてくれるので、相乗効果によって、メンバーが自己想起を行う時間が伸びていきます。

自己想起が深まると、自我が薄まり、慈悲が自然に育ちます。
 

 
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アイテール界の上昇(エノク魔術)

エノク魔術は、エリザベス1世の占星術師でもあったルネサンス期のイギリスの高名な神秘主義思想家ジョン・ディーが、霊媒を使って得た知識に由来します。
そして、ゴールデン・ドーン系の魔術師によって発展させられました。

エノク魔術はカバラ以上に複雑な、独立した体系を持った魔術です。
ゴールデン・ドーンの魔術は、カバラの象徴体系に基づいていると思われていますが、実際には、高等な魔術であるほどエクノ魔術を重視する傾向があって、事実上、エノク魔術がカバラ魔術の上に置かれています。
エノク魔術は個人的な性質が強くて、集団ではなく個人で儀式を行ないます

エノク魔術は30の「アイテール」と呼ばれる階層的な象徴世界と、「物見の塔」と呼ばれる縦27、横25、合計675の区画を持つ方形の象徴タブレットを基本としています。

71pIeE.jpg
* 物見の塔の構成パーツを掲載した表紙

そして、エノク魔術ではエノク語という、21のアルファベットのある正体は不明の言語を使って行われます。 「アイテール」は神から物質世界にいたる階層的構造を持った象徴体系で、カバラで言えば「セフィロート」に相当します。

カバラの「生命の樹」の象徴体系では、10のセフィロートの間をつなぐ22の小径を通って、セフィロートを一つ一つ登っていく「パスワーキング」と呼ばれる瞑想(厳密に言えば「夢見の技術」)を行います。
「パスワーキング」の技法については、姉妹サイトの「夢見の技術」の「西洋魔術のパスワーキング」を参照ください。

エノク魔術で「パスワーキング」に相当するのが、30のアイテール世界を、最下層から順に上昇していくヴィジョンの旅です。
まず、各象徴の勉強を行い、それを念じて無意識の中に連想の構造を作りあげる期間が必要です。
その後、目標を設定して、夢見の状態に入ってヴィジョンを体験します。
各アイテールでは、そこの風景を探索したり、印象を感じたり、霊的存在に出会ってコミュニケートしたり、闘ったりすることで、何かを学んだり、人格を変容させて、順に次のアイテールに進みます。

「パスワーキング」やアイテール上昇の旅は、ヴィジョンの細部をコントロールしないで受動的に体験するという側面から見れば、「夢見の技術」ですが、象徴体系を基にした場面設定、大枠の筋書を決めているという側面から見れば、「観想」という瞑想法と言えなくもありません。

上記の姉妹サイトの「夢見の技術」の「パスワーキング」の文章は、技法と中心に書きました。
当サイト「世界の瞑想法」のこの文章は、象徴や体験内容を中心に書きます。

以下、ジェラード・シューラーとアレイスター・クロウリーの著書を参考にして、簡単に紹介しましょう。
ちなみにこれはエノク魔術でも、ゴールデン・ドーン正統派とは少し異なるようです。


まず、準備的作業として、「アストラル・プロジェクション」と呼ばれる霊体離脱的観想の練習をします。
自分の体から意識(アストラル体)が抜け出し、自分の体の前に立って、自分自身と回りの世界を観察する練習をします。

次に、「物見の塔」の各タブレットの区画の象徴世界(4元素)に入る瞑想(夢見)をします。
区画を扉として観想し、それの扉を開いて、その象徴の世界に入り、そこの霊的存在とコミュニケーションを行います。

次に、「諸天上昇」の観想を行います。
体から上方に意識(アストラル体)を抜け出し、天井を抜け、どんどん上昇し、諸天を上がっていきます。
上昇するに従って、意識は集中した状態(いわゆるサマディ)になっていきます。

そして、下層から30のアイテールの象徴世界に入って、順次上昇していく瞑想(夢見)を行います。

(30)テクス
地の元素に関わるエーテル界(気の世界)で、夢を見ている時に無意識に入っている世界です。
四方にカルマ、願望、沈黙、制限といったイメージの世界を持ちます。

(29)リイ
ここからはアストラル界(感情の世界)に入ります。
ここは世界の宗教の天国、煉国に相当するところで、カルマの処罰や肉体のない生の意識に直面します。

(28)バグ
天使を剣で倒す体験によって、自分の深層にある隠された罪の意識と直面します。

(27)ザア
重苦しい孤独感がのしかかりますが、それを力として受け止め、個性を獲得しなければいけません。

(26)デス
環境から生まれた自分の下位の自我を反映した霊的存在と出会い、これを認識することで脱ぎ捨てます。

(25)ウティ
意識と神的意識の中間に当ります。ここでは守護天使を反映した霊的存在に出会います。

(24)ニア
アストラル界の最上部に当り、時空の移動を学びます。

(23)トール
メンタル界(思考の世界)の最下部にあたります。
ここではメンタル界の風の性質を、そしてより下の世界を創造、安定させる力とその労働を体験します。

(22)リン
有形の世界と無形の世界の中間に当り、自分が目そのものになって上下にその世界を見ます。

(21)アスプ
色も形も音のなく完全な孤独の中で、時間と運命が一緒に流れているのを感じます。
ほぼ「テイファレット」に対応します。
輪廻する自分を反映した天使と出会いますが、彼は下界のみを見おろし、冷たい流れを放出しています。
彼とは純粋な概念でコミュニケートします。

(20)クフール
世界全体を巨大な回転する輪として見て、宇宙的なカルマの意味を学びます。

(19)ポップ
イシスやダキニに相当する女性的な流れの秘儀参入に出会います。

(18)ゼン
ホルス、磔や自己犠牲の男性的な流れの秘儀参入に出会い、地上的な自我の解体を経験します。

(17)タン
カルマの天秤を見ます。自分のカルマと対面にて認識します。

(16)レア
死と再生の流動を感じます。
自分自身の消滅しつつある部分を反映した古い王があらわれ、新しい王を嘆きます。
この新しい王は生まれつつある自分自身の霊的人格です。
美しい女性が現れて彼女に魅惑されるかもしれません。

(15)オクソ
存在自体の強烈な喜びを感じます。
天使達が踊り、歌う様子を見ます。
そして男性性と女性性が結合する薔薇十字の秘儀参入を体験します。

(14)ウティ
ヘルメス神が案内する厳格で死の感触を持ったピラミッドの都市があります。

(13)ズィム
金色の庭があり、愛や友情を広げる存在がいます。

(12)ロエ
女性的な流れがあり、聖者の血が満たされた聖杯を見ることができます。
憐れみをもって聖杯に自分の血を満たす秘儀参入を行います。

(11)イクー
メンタル界の最上部に当り、灰色の聖なる都市があります。
ここは「深淵」に接していて、緊張に満ちた兵士がいます。

(10)ザクス
メンタル界と霊界の間の「深淵」で、「ダート」に対応します。
ここは混乱した感覚に満ちています。自分自身のカルマの産物である悪魔と出会うと、沈黙を維持しなければいけません。
自分に利己性が残っていると、天使は炎でそれを燃やすので、恐怖を感じてしまいます。

(9)ズィップ
兵士達の間を越えて宮殿への訪問を行います。
この宮殿は幼い裸の女性でもあって、ここは幸福とエクスタシーに満ちています。

(8)ズィド
光のピラミッドがあり守護天使がいます。
彼とコミュニケートして、自分自身の霊的性質を理解します。

(7)デオ
愛の感覚を感じます。
宇宙的な孔雀であり、火の性質を持った女神がいます。

(6)マズ
トート神がいて様々な幻影を作り出しています。
迷宮を越えていくと宮殿があり、その中には自分のカルマの残りを保存する壷があります。

(5)リト
神の姿を見ることはできないが、真理の燃える矢のヴィジョンを見ます。この矢はすべての動きを生み出す宇宙的な不動の矢です。
エロスと名乗る金色の子供を白い矢で射ると、逆に黒い矢が自分自身にささります。

(4)パズ
千の腕を持った恐ろしい神が女性と抱き合うのを見ます。
そして様々な力が2極化するのを感じます。

(3)ゾン
「コクマー」に相当します。
ヴェイルの中にいる魔術師を見ようとします。
自己と宇宙の間の高い知識を認識します。

(2)アルン
強烈な幸福の感覚に溢れ、宇宙の創造の意味を認識します。

(1)リル
まず闇の中で平和に侵っていると、大天使に囲まれた子供を見ます。
天使に導かれて子供の元に導かれると、至福を感じ、賛歌が聴こえます。
ここはすべてが一なる状態で、「王冠(テケル)」を戴き、勝利する子供の領域です。


中央の柱(ゴールデン・ドーン)

近代の代表的な魔術結社「ゴールデン・ドーン」で行われた「中央の柱」は、カバラの「生命の樹」のセフィロートを身体に重ねて霊的な力を導く技術です。
この段階で魔術は本格的に魔術らしくなります。

これによって直接的な霊的な力を召喚、コントロールします。
これは、他人をイニシエートしたり、護符や魔術道具を聖別したり、神像へ神の力を召喚することなど、本格的な魔術にとって不可欠なものです。

「生命の樹」をミクロコスモスとしての身体に重ねて観想して、霊的な力を導くことは、古くからカバリストの間で行われてきましたが、西洋魔術はこれを魔術的な方向で発展させました。

「中央の柱」は、インドや密教で行われるチャクラの観想やプラーナのコントロールとも似ています。
「中央の柱」で操作する霊的な力は、気(エーテル、プラーナ)に象徴的な観想によって心的(アストラル)な要素を乗せたものでしょう。

「中央の柱」の瞑想では、セフィロートに対応する身体各部に、神名や色、象徴とともに光(力)を導いていきます。
複雑な瞑想なので、最初は単純な瞑想から始めて、順次、複雑にしていきます。
具体的には、下記のように9段階で練習します。

「生命の樹」の図や、セフィロートの象徴的意味は、ここではスペースの都合で説明できませんが、その名前と意味、身体上の対応だけ記載しておきます。

1 テケル=「王冠」:頭上
2 コクマー=「智慧」(:顔の左)
3 ビナー=「理解」(:顔の右)
× ダート=「知識」:喉
4 ケセド=「慈悲」(:左肩)
5 ゲブラー=「峻厳」(:右肩)
6 ティファレット=「美」:腹or胸
7 ネツァク=「勝利」(:左腰)
8 ホド=「栄光」(:右腰)
9 イエソド=「基礎」:陰部
10 マルクト=「王国」:足下

<第1段階>

直立し、両手の上(テケル)に白く輝いている球があり、それを頭の上に乗せると観想します。
足の下(マルクト)に、レモン色、オリーブ色、栗色、黒の斑になり、鈍く輝きながら回転している球体があります。
頭の上の光体がゆっくり回転しながら足の下まで降りて来ます。
この時、体の中に透明な円筒があるかのようです。
次に、足下から頭上まで球体を上昇させます。
これを何度か繰り返します。

<第2段階>

第1段階の観想に対して、光体の昇降の途中、喉(ダート)、腹部(ティファレット)、陰部(イエソド)で一旦と留めます。
球体の光の色は、喉部では藤色に、腹部では黄色に、陰部では紫色に変わります。

<第3段階>

第2段階の観想を、「ボックス呼吸」のリズムと合わせて行います。

頭上で2拍、呼吸を止めます。
4拍で息を吸いながら球体を下します。
足下で2拍、呼吸を止めます。
4拍で息を吐きながら球体を上げます。

<第4段階>

第3段階の観想に対して、神名と唱えることを加えます。
各部で、神名を唱えながら、色と音と意味を一体化させます。

頭上のテケルでは「エー・ヘイ・エー(我あり)」と唱え、自分の意識を神に移行させます。
喉のダートでは、「イエー・ホ・アー・エロ・ヒーム(我は主なる神なり)」と唱えて念じます。
腹部のティファレットでは「イエー・ホ・ヴァ・アー・エロアー・ヴェ・ダート(我は全知の主なる神なり)」と唱えて念じます。
陰部のイエソドでは「シャダイ・エル・カイ(我は全能の生ける神なり)」と唱えて念じます。
足下のマルクトでは「アドーナイ・ハ・アレッツ(我は大地の主なる)」と唱えて念じます。

<第5段階>

白い球を頭上にいただいた後、「生まれざる者」という神の召喚文を朗唱して念じます。
「生まれざる者…我はオシリス…白き輝ける光よ、降臨せよ。」と朗誦しながら、意識を神に切り替えます。
これは、内容的に「生まれなき者の儀式」で紹介したものと同じで、作業的にはその簡略版になります。

<第6段階>

これまでの全段階を統合します。

まず、カバラ十字の儀式、続いて、五芒星形の追儺の儀式を行います。
それから、「生まれざる者」の召喚を行い、ボックス呼吸に合わせて、各部で、神名を唱えながら、光の色を変えながら、足下まで光を降ろしていきます。
その後、光を昇降させます。
そして、オシリスの姿勢(胸の前で左腕を下にして両を交叉して、手のひらを肩口に当てる)を取ります。

最後に、四方で五芒星形を閉じ(「五芒星形の小儀式と4大天使の召喚」参照)、足踏みをして、日常の意識に戻ります。

<第7段階>

この段階では、光を体の中心軸で昇降させずに、左右、前後で昇降します。
他の部分は第6段階と同じです。

まず、頭上の光を、左の耳、左肩を通って、体の左側面から降ろします。
そして、足下から体の右側面を通して頭上まで上げます。
これを繰り返します。

*この時、頭の左右のセフィロートである「コクマー」、「ビナー」、左右の腕の「ケセド」、「ゲブラー」、左右の腰の「ネツァク」、「ホド」を念じて、生命の樹との照応を完成させる方法もあります。
*また、第7段階の前に、テケルから生命の樹のセフィロートの順に照応を完成させる方法もあります。

次に、頭上から、顔の前面、体の前面を通して降ろし、体の後面から上げます。
これを繰り返します。

*左右の昇降を先に、前後の昇降を後にする方法もあります。

<第8段階>

この段階では、光を頭頂から噴水のように吹き上げます。

まず、通常の方法で光を中心軸を使って昇降させます。
その後、足下から中心軸に沿って急速に上昇させ、頭頂から上に向けて噴水のように光を噴き上げます。
そして、光の粒子が5色に煌めきながら、自分が卵に包まれるように、体の回りを取り巻くように足下まで降ろします。
これを繰り返します。

<第9段階>

この段階では、足下から体の回りを巻き上げます。 

第8段階の瞑想に続いて、右足の下から前面を通って、右回りに体をぐるぐる巻きながら、上昇させます。
包帯を巻かれたミイラのようにです。
そして、オシリスの姿勢を取ります。
最後に、四方で五芒星形を閉じ、足踏みをして、日常の意識に戻ります。

*ぐるぐる巻きの昇光を先に、噴水の降光を後にする方法もあります。


五芒星形の小儀式と4大天使の召喚(ゴールデン・ドーン)

近代の代表的な魔術結社「ゴールデン・ドーン」系の魔術結社では、どんな儀式をする場合も、まず、儀式を行なう場と自分の心身を浄化するための儀式を行います。
これは「神殿形成」とも呼ばれ、具体的には一般に、「カバラ十字の儀式」と「五芒星形(プンタグラム)の儀式」を行います。
「五芒星形の儀式」では「4大天使の召喚」を含みます。
これらの儀式は、初心者にも許されています。

古来から宗教儀式が行われる場は、追儺(邪霊などを追い払うこと)と聖別(霊的な力を込めること)を行います。
場所の浄化の本質は、霊的な世界の秩序に合わせて霊的存在や力を召喚することです。
心理的に表現すれば、邪念をなくし、無心でバランスの取れた創造的な状態になります。

具体的には、一番単純なのは、場所を区切ってその4方に、4つの霊的存在を召喚する(象徴を観想する)ことです。
これは宗教によって、4大天使であったり、4大神であったり、4大如来であったり、4大聖獣であったりします。

浄化された場所は、比喩的に「神殿」と言うことができますが、本当はこの精神的なレベルで作られたものこそが神殿の本質です。
ちなみにインドのヤントラや密教のマンダラも同じです。

ちなみに、ゴールデン・ドーン系の団体では、各シンボルは下記のような事項を象徴します。
「十字」は4大元素の調和の象徴で、各方向は4大元素を象徴します。
「五芒星形」はミクロコスモスの象徴で、各角は5大元素(4大元素+霊=アイテール)を象徴します。
「六芒星形」はマクロコスモスの象徴で、各角は6惑星、中央は太陽を象徴します。


実際の儀式(瞑想)では、まず、東に向かって立ち、「カバラ十字の儀式」(「カバラ十字の儀式とアダム・カドモンの観想」を参照)を行います。
ただし、「アダム・カドモンの観想」は不要です。
光の観想とともに、十字を切って、言葉を唱えます。
これによって自分の心身を活性化します。

続いて「五芒星形の儀式」では、東西南北の四方に向かって順に、五芒星形を指先で描きます。
指先から光が出て、五芒星形は光の軌跡として形作られ、それが炎で燃えていると、ありありと観想します。

五芒星形は5つの角が5大元素を象徴します。
五芒星形をどの角から描き始めるかによって、それぞれの元素に対応する五芒星形になります。
また、右回りに描くと追儺(閉じる)、左回りに描くと召喚(開く)の五芒星形となります。

一番基本の儀式では、「地」の五芒星形を描きます。
追儺を主体にする場合、左下から右回りに描きます。
(後で守護天使の召喚を行うので、まず、召喚の五芒星形を描く場合もあります。
毎朝の儀式として行う場合も召喚の五芒星形を描きます。
この場合は、上の角から左回りに描きます。)

東西南北の象徴は、東=春=風、南=夏=火、西=秋=水、北=冬=地といったイメージです。
四方に分割された円を思い描いて、その中心に立ちます。

まず、東を向き、五芒星形を描き、「イー・アー・ウー・エー」と唱え、五芒星形の中心に指先(剣先)を切り込んで、邪霊がそこから流出る様子を観想します。
(召喚の場合は、声が飛び去ると観想します。)
次に、南を向き、五芒星形を描き、「アー・ドー・ナイー」と唱えて同様に追儺の観想をします。
次に、西を向き、五芒星形を描き、「エー・ヘイー・エー」と唱えて同様に追儺の観想をします。
最後に、北を向き、五芒星形を描き、「アー・グラー」と唱えて同様に追儺の観想をします。

次に、東西南北を護る守護天使を召喚します。

まず、東を向き、両手を前に出して左手首の上に右手首を重ねたポーズをとり、「我が前にラファエル」と唱えて次のように観想します。
東の彼方から薄明の空を駆けて、黄色い薄絹の衣装を纏い、癒しの水瓶を持った大天使ラファエルが現れます。

次に、南を向き、同様に、「我が前にミカエル」と唱えて観想します。
燦々と輝く真昼の太陽の中から、赤い甲冑を着て、戦いの剣を持った大天使ミカエルが現れます。

次に、南を向き、同様に、「我が前にガブリエル」と唱えて観想します。
落日の太陽を背にして、青い旅衣装を来た、少年のような大天使ガブリエルが舞い降りてきます。

次に、北を向き、同様に、「我が前にアウリエル」と唱えて観想します。
夜の闇の中から、緑の衣装を着て、穀物を持った大天使アウリエルが現れます。

そして、頭上と足下に六芒星形を観想して、次のように唱えます。
「私の周りには4つの五芒星形が炎を上げて輝いている。
私の頭上と足下には六芒星形が輝き、私を護っている。」
(背中に六芒星形を観想する場合もあります。)
(六芒星形に関しては、守護天使を召喚しませんが、上の六芒星形はメタトロン、下の六芒星形はサンダルフォンの守護の元にあります。)

最後に、再度、カバラ十字の儀式を行います。
(最初に召喚の五芒星形を描いた場合は、最後に閉じる五芒星形を描くこともあります。)


ちなみに、「五芒星形の大儀式」や、「六芒星形の儀式」はより複雑で、一定の資格を得た者しかできないもので、5大元素の霊や、惑星の霊、獣帯(12宮)の霊を召喚する場合に行います。

カバラ十字の儀式とアダム・カドモンの観想(ゴールデン・ドーン)


これは近代の代表的な魔術結社「ゴールデン・ドーン」系の魔術結社で行われる儀式的瞑想法です。

一般に「カバラ十字の儀式」は、「五芒星形の小儀式」とともに、どんな儀式を行う場合にも最初と最後に行います。
また、毎日、朝と夜に祈り、あるいは修行として行うこともあります。

「カバラ十字の儀式」は、主に、心身を活性化します。
「五芒星形の小儀式」は、主に、心身と場所を浄化します。
つまり、両方で、邪心をなくし、無心でバランスの取れた創造的な状態にします。

ちなみに、ゴールデン・ドーン系の団体では、各シンボルは下記のような事項を象徴します。
「十字」は4大元素の調和の象徴で、各方向は4大元素を象徴します。
「五芒星形」はミクロコスモスの象徴で、各角は5大元素(4大元素+霊=アイテール)を象徴します。
「六芒星形」はマクロコスモスの象徴で、各角は6惑星、中央は太陽を象徴します。

ここで紹介するのは、自分の心身(ミクロコスモス)と宇宙(マクロコスモス)を照応させる「アダム・カドモンの観想」を、「カバラ十字の儀式」と同時に行う方法です。
「アダム・カドモン」というのは、神話や神秘主義思想で良く出てくる観念で、最初の霊的人間である「原人」を意味します。

まず、東を向きます。
呼吸に集中します。
「ボックス呼吸」と呼ばれる呼吸法(4拍吸う、2拍止める、4拍で吐く、2拍止める)を使います。

陰部を中心に臍までの球を観想し、これを4大元素の月下界であると考えます。
より細かく観想するなら、中心から「地」、「水」、「風」、「火」の天球を思い描きます。

次に、球体を広げ、臍から胸までの間に、「月」、「水星」、「金星」、「太陽」の4つの惑星天球を観想します。
正確に観想するならそれぞれの象徴性(詳しくは占星学や魔術の本を参照)を念じます。

同様に、胸から首までの間に、「火星」、「木星」、「土星」の3つの惑星天球と、恒星天球を観想します。

同様に、首から頭頂までの間に、「炎上天球=天使界」を観想します。
より細かく観想するなら、9層の天使界(姉妹サイトの「偽ディオニシオスと天使の位階」や、こちらのサイトを参照)を思い描きます。

次に、宇宙と照応する身体と自分が、だんだん大きくなって、とうとう頭が実際に天使界にまで到達すると観想します。
頭上に白い雲が現れ、その中から光が、そして、「ヨッド」、「へー」、「ヴァウ」、「ヘー」のテトラグラマトン(ユダヤの4文字で現される神の名前)が現れます。

人差し指と中指を伸ばした剣印を作り、額に当てると、光が頭の中に降りて来ると観想し、「御身の手の内に(アテーー)」と唱えます。
(一般のカバラ十字の儀式では、光がはるか頭上から降りて来ると観想します。)

指を臍まで降ろして、光が陰部まで降りると観想し、「御国と(マールクート)」と唱えます。
(一般のカバラ十字の儀式では、光が足下までずっと貫いて降りていくと観想します。)

指を右肩に持ってきて、「力と(ヴェ・ゲーブラーー)」と唱えます。
(一般のカバラ十字の儀式では、光が右方からやって来ると観想します。)

左肩に移動して、「栄あり(ヴェ・ゲードゥラーー)」と唱えます。
体の中心線と肩の高さに十字架が出来ます。
この時、陰部を横切る水平線と、その上が光の世界、下が闇の世界であると観想します。
(一般のカバラ十字の儀式では、左方へ光が突き抜けると観想します。)

両手の指を順に重ねた外縛印を作って胸に当て、「永遠に尽きることなく(レ・オラーーム・アーメンー)」と唱えます。
(この時、胸の上に深紅の薔薇が咲く様子を観想する場合もあります。)

以上のように、カバラの「生命の樹」の象徴と、十字架と、大宇宙を、身体に重ね合わせるわけです。

これで、自分自身を「第1のアダム・カドモン」として観想したことになります。
この時、天体はまだ静止しています。

次に、「アーメンー」を唱えて、諸天球が動き始めると観想します。
そして、両手両足を広げ 体を五芒星形の形にして 頭を天使界から降ろして恒星天内に入れると観想します。
この時は、自分自身を「第2のアダム・カドモン」として観想したことになります。

最後に、「アーメンー」と唱えて、意識を自分の肉体に戻します。
そして、足を踏み鳴らして日常の意識に戻ります。


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