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解結と養胎の存思法

中世の道教(仙道)の経典『胎精中記経』に記載された、不老長寿を求めて行われた存思法(神々の観想法)を紹介します。
これは「解結」と「養胎」という2段階から成ります。

道教ではミクロコスモス(身体)とマクロコスモス(神々の体系)の照応を考えます。
特定の神が身体の各部位を司っているとか、各部位に体内神がいると考えます。

一方、悪い要素も、身体の各部位に悪神として、あるいは霊的な組織として存在すると考えます。 
生まれた時から存在する病根である身体各所の霊的組織を「霊関」、「結」、「節」などと言います。

「解結」の存思法は、それぞれの身体部位、「結」対応する神々を観想することで、その「結」を解くための瞑想法です。
後期密教でも、尊格を身体部位と対応させて観想し、活性化するので、発想は同じです。

最大の病根は3つの「霊関」とされますが、これはハタ・ヨガのグランティ(結節)に相当します。
次に重要な病根が12の「結」で、それぞれの中に12の「節」と呼ばれるものがあり、両方合わせて「24結」と呼ばれます。

次に、「養胎」の存思法ですが、これは神々の観想によって、霊的な身体の元になる「聖胎」を育てて、不死の霊体にしていく瞑想法です。
道教では、人間の胎児が受精してから出産に至る過程で、様々な神々が順に胎児に力(気)を与えたり、神々が体内に入り込んだりすると考えます。
「養胎」の存思法では、このプロセスを観想によって体内の霊体で再現するものです。

「養胎」の存思法は、後の内丹法のように直接に気のコントロールは行いませんが、それにつながる観想法と言えるでしょう。
後期密教で、出産のテーマを取り入れた観想法である生起次第が、後の気をコントロールする瞑想法である究竟次第につながることと同じです。

では、具体的に観想法を紹介します。
まずは、「解結」の存思法です。

生年と同じ干支の日に、夜明け、正午、夜半の3回に分けて観想を行います。
夜明けの観想は、上部の4結(頭頂・口・頬・目)を解結するためのものです。
正午の観想は、中部の4結(五臓・胃・大腸・小腸)を解結するためのものです。
夜半の観想は、下部の4結(膀胱・陰中・肛門・両足)を解結するためのものです。

それぞれの観想は3つの部分から成ります。
「九天元父と九天玄母」の観想、「三天真王」の観想、「八景神」の観想です。

「九天元父」と「九天玄母」は天界の陰陽を象徴する神です。
「九天元父」は黒黄で、青気に変わり、大きさは9寸9分、24の仙人を従えています。
「九天玄母」は青色で、黄気に変わり、大きさは6寸6分で、36人の玉女を従えています。

「九天元父」と「九天玄母」の観想は、二人が飛龍、鳳凰、仙人、玉女などを従えて降臨し、自分の頭の中に入り、そこを治めると思い描きます。
顔の当たりに降り来た時に、歯をかみならし、それぞれの4結を解いてもらうように祈願します。

「三天真王」は、胎児の成長を促す九天の気を司る神々です。
上部・中部・下部のそれぞれで別の三人の神々がいます。
「三天真王」は、麒麟などの霊獣が引く雲や車に乗って、玉童玉女を従えて、降りて来て、青・紫・黄の3色の気になって、口・耳・鼻から入ってくると観想します。
「三天真王」にも、4結を解いてもらうように祈願します。

「八景神」は、始めから体の中に住む神々です。
ですから、体内に留まってもらうことを祈願する観想を行います。
「八景神」も、上部・中部・下部のそれぞれに別の8人の神々がいて、「三部八景神」とか、「二十四神」と呼ばれます。
「八景神」は、嬰児の姿をしていると観想します。
そして、解結を祈願し、祝(呪文)を唱え、気を8回飲み、呪符を服用します。

夜半の「八景神」の観想を終えると、最後に、三部八景神を統括する臍下丹田の「道一内神」を観想して、すべての解結を祈願し、呪符を服します。


次に、「養胎」の存思法です。

これは、自分の受胎から出産までの10カ月の過程になぞらえて、不死の聖胎を養育する観想法です。
各月に10日ごとに3回、最初は夜明け、次に正午、最後に夜半、観想を行います。
1月ごとに、身体の各部位に、それぞれに対応する神々が降りて来て、気を授かると観想し、祝(呪文)を唱えます。

身体の部位は、順に、「泥丸(頭頂)」、「洞房(頭部)」、「明堂(頭部)」、「肺」、「肝」、「胆」、「腎」、「心臓」、「泥丸(頭頂)」、「下腹部(下丹田)」です。

最後の誕生月に対応する日には、「九天元父」を頭頂に、「九天玄母」を下腹部(下丹田)に招きます。
この後、「九天元父」は青気に変わり、「九天玄母」は黄気に変わり、心臓で合一します。
そして、「九天元父」は嬰児に変わり、「九天玄母」は鳳凰に変わります。
その後さらに、「九天元父」は太陽に変わり頭頂へ、「九天玄母」は月に変わり下腹部に戻ります。
最後に、呪符を服します。


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女丹

仙道の内丹法には、男性と女性では生理が違うので、女性には固有の行法があります。
中国では多くの仙女が存在していて、独自の行法が作られました。
これを「女丹」と呼びます。
特に、宋時代の孫不二は有名な女性内丹修行家です。

また、気の弱まった老人や気が非常に強い少年にも少し異なった行法が存在します。
例えば、男性成人は下丹田を中心に気を練りますが、女性は中丹田を、また老人男性は性器部分を中心に気を練ります。

男性と女性の行法の違いを簡単に紹介しましょう。

陽性である男性は、まず先天の気で丹を作ってから練形を行います。
これに対して、陰性である女性は、先に練形を行ってから丹を成長させます。

女性の場合、神を虚に戻す必要がなくなります。
男性の場合は、腎臓の精を気に変えて下丹田で丹を作り、生殖機能を停止させましたが、女性の場合は、中丹田に気を戻して生理を停止させてから、中丹田で丹を成長させるのです。
男性は丹を一から作る必要がありますが、女性には生命を育む機能が始めからあるので、丹も最初から存在しているのです。

女性の練形の最初の行法は「養真化気」と呼ばれます。
これは、月経を止めて少女や男性のような体にするものですが、これを「斬赤龍」とも呼びます。
乳房にある気が下降して経血になると考えられていたので、これを止めて中丹田に気を戻して凝縮することが重要なのです。   

具体的な方法を紹介しましょう。

まず、中丹田に意識を集中します。
同時に乳房をマッサージする場合もあります。

すると子宮から光とともに気が頭頂まで昇ってくるので、これを胸下にまで降ろします。
1、2ケ月これを繰り返して、子宮から気が昇って来なくなるまで続けます。
すると、月経が止まります。
そして、中丹田で気の塊(丹)が真珠のような光りを放つようになります。

月経開始の2日前と月経後2日目には、陰になる直前の陽の気が体を流れるので、この行はこの時に行うと効果が強く、逆に月経中は行ってはいけません。

次が本格的な練形法の「九転練形」です。
これは中丹田で唾液を気に変えながら小周天を行う行です。
そして、3周天を行った後で、乳房をマッサージして気を蓄積します。

こうしていると、股のところまで降りた気が、左右に分かれて回転するようになります。
これを3回行います。合計9周天を行うことになります。
こうして、より丹を成長させます。

すでに書いたように、女性の場合は最初から丹が存在するので、丹を成長させることは男性より簡単です。
女性の場合、中丹田が決定的に重要なので、丹の循環よりも、胎息が強調されます。
丹を完成させる行は、特別なものではありませんが、「運用火符」、「黙運胎息」などと呼ばれます。

この後の行法は男性の行法とほとんど同じです。陽神を作って出神を行います。

また、老年になって月経が止まった女性の場合は、精・気を養って、一旦、月経を取り戻してからその後の行を行います。

大周天(内丹法2)


大周天は、仙道の「内丹」における、第3段階にあたる瞑想法です。


3 煉炁化神(中関・大周天)

この段階では、炁と神(深層意識)を一体にして胎(清浄な気の体の胎児)を作ります。

まず、小周天で凝縮した炁を全身に行き渡らせて、気の身体を活性化します。

さらに心を集中していると、炁が黄庭(脾臓部)に移動します。

さらに心を集中していると、下丹田に「大薬」が生じます。
この時、「六根振動」といって、下丹田が燃焼し、腎が沸騰し、眼から金色の光が出て、耳の後ろでは風が起こり、頭の後ろで鷹が鳴き、身が沸き立つようで、鼻が引き付けたりするように感じます。
大薬は勝手に動き回りますが、外に漏れないようにしながら、ゆるやかに導いて、これまで同様の経路で周天させ、下丹田に戻します。
ただ、大薬は光を発する気の塊とする説と、液体状のものだという説もあります。

大薬を黄庭(胸部と腹部の間)に移して意識を集中し、炁と混ぜて練ります。
この時、中丹田(心臓部)と下丹田の間を動きます。(服食)
このプロセスを「採工」と言い、7日ほどかかります。

さらに、意識を集中し続けると、大薬・炁は徐々に静まり、「聖胎(仙胎)」と呼ばれる清浄な気の体の胎児になります。
「聖胎」に意識性をそれに分け与えると「陽神」(金丹)になります。
「炁」が「神」に変化したのです。
この状態は、自分の意識が今までの自分と「陽神」の2つにあるような状態です。
つまり、「陽神」は気でできた自分の分身のような存在です。
このプロセスを「採丹」とも言い、ここまでに4・5ヶ月ほどかかります。

さらに瞑想を続けると、10ヶ月ほどで胎・丹は完成します。
そして、体は純粋な陽の性質になります。
このプロセスを「養胎」と言い、ここまでに10ヶ月ほどかかります。

以上が「大周天」という行法です。
狭義では、上に説明した大薬の部分を「大周天」と呼ぶようです。


4 煉神還虚(上関・出神~還虚合道)

陽神をさらに育てて上丹田に移し、強化します。
このプロセスを「哺乳」と言い、3年ほどかけます。

陽神は、感覚をしっかり持つ分身となります。
すると、自然に頭頂から外に出て行けるようになります。
これを「出胎・出神」と呼びます。
陽神を少しだけ体外に出しては戻し、その距離を徐々に長くしていきます。
このプロセスを「六年温養」と言います。

この先は、さらに伝説的な領域になります。
行法も抽象的にしか分かりません。

無の境地の瞑想によって自我を滅する一方、陽神を成長させます。

そして、最終的には、還虚・合道と呼ばれる道教の最終の境地に至ると共に、肉体を陽神に解消していきます。

小周天(内丹法1)


中国の道教(仙道)の気をコントロールする瞑想法(命功)である内丹について説明します。
内丹の目的は、初歩の段階では気功に似た健康法ですが、最終目標は不老不死ということになっています。
ただ、その意味はインドで言う解脱と似たものでしょう。

そのために、内丹ではまず、生まれたての嬰児(成熟した胎児)のような、汚れのない純粋に創造的な気の身体の状態を回復しようとします。
両親の交わりによる受胎と母体の中での胎児の成長を、気をコントロールする瞑想によって再現し、新たな気の身体の胎児を、体内に育てます。
それによって、元々の身体をも純粋に創造的な気の状態にします。

内丹の具体的な方法は一つの決まった方法があるわけではなく、時代や宗派、道士によって様々な違いがあります。
本ブログでは、正統派の内丹法と思われる、張伯端によって完成した「南宗丹法」と、それを継承した「伍柳派」の、比較的一般的と思われる方法を紹介します。

内丹の瞑想法(修行法)には下記のような段階があります。

1 煉己築基
2 煉精化炁(初関・小周天)
3 煉炁化神(中関・大周天)
4 煉神還虚(上関・出神~還虚合道)

この記事「小周天」では、1、2を、次の記事「大周天」では3、4を簡単に紹介します。


1 煉己築基

この段階は、「後天的な気」を凝縮し、「精」(エネルギー状の気)を集める段階です。

まず、「武息」という呼吸法を使いながら、下田丹(腹部)に後天的な気を集めて凝縮します。
すると気は熱くネバネバした「陽気」になります。

「武息」は、意識的な腹式呼吸で、切れ切れに鼻から吸い、それとともに肛門を締め上げます。
しばらく息を止めてから、切れ切れに空気を吐きながら、肛門の締め上げをゆるめます。

胴体と頭部の前面と背面には重要な気脈があって一周しています。
前面が「任脈」、背面が「督脈」です。
陽気をその気脈に沿って周回させます。
最初は体の表面を通りますが、徐々に内側を通るようになります。

つまり、腹部から下に降ろし、胴体の下部を通って、背中の中心に沿って上昇させます。
そして頭頂を経て、顔面を下に降ろします。

「上丹田」(頭頂)では、一定の時間、陽気を留めおきます。
これを「(還精)補脳」といいます。
この時、「文息」という、無意識で自然な呼吸を行います。

さらに、鼻から下へは、舌を通して喉に抜きます。
さらに、胴体全面を降ろしていき、中丹田を経て、下丹田に戻します。

以上、1周させるのに、数十分かかります。
これを繰り返すことによって、身体に分散している「精」(エネルギーの元)を陽気に集めます。


2 煉精化炁(初関・小周天)

この段階では、「先天的な気」を発動させてすべての精と混ぜて蓄積します。

表層的な意識を滅して下丹田に集中することで、「先天の気」を発動させます。
「先天の気」は下丹田あるいは「命門」(両腎蔵の間orすい臓部)から腎中に達します。
これを「外薬(小薬)」と呼び、このプロセスを「調薬」と言います。
この時、「陽光一現」といって、眼前にひと光りを感じます。

これを陽気と同様にして、何周も回して、下丹田に蓄えます。
これを「小周天」(採薬)と呼びます。

360回ほど小周天を行って外薬を練ることで、体中の精をすべて外薬に集めます。
このプロセスを「煉薬」と言います。
この時、「陽光二現」と言って、眉間に光を感じます。
周天は、慣れると一呼吸で回せるようになります。

文息にして意識を下丹田に集中します。
すると、会陰から「気」が登り、「内薬」が生まれます。

外薬と内薬を混ぜて「炁(キ)」(丹母)にします。
「炁」は精をすべて気に混ぜたで凝縮したものです。
つまり、精と気が一つになったものが「炁」です。
この時、「陽光三現」と言って、眉間と回りに光を感じます。

この時、上丹田から発生する液状のもの(随液)と、腎で発生した精(玉液)とを、下丹田で気と混ぜることもあります。

太陽神存思法

中国の道教の神秘主義思想である仙道の「太陽神存思法」と呼ばれる観想法です。
これは自然の神々を思い眺め、その精気を摂取する方法です。

まず、自分の体を大海に浮かぶ崑崙山(霊山)としてイメージします。
海から太陽が昇ってきて光が全身を貫き、太陽の光が自分の汚れを浄化します。

中天へと上昇した太陽から金色の火雲がさし、崑崙山と太陽をつなぐ橋になります。

金色の龍が雲の間から現れると、これに乗って太陽の中の宮殿にまで進みます。
この過程で陰の汚れはすべて焼き尽くされて陽に変化します。

太陽には、太陽神界を司る太陽帝君がいます。
彼を拝謁し、太陽の中で瞑想を始めます。

瞑想が進めば神の使いである金色に輝く3本足の烏が現れて、霊的な光(陽の気)を浴びせます。
霊的な光は修行者の口から入り、全身を巡ります。
すると、修行者自身が輝き出し、光は体外に溢れます。

最終的には、意識も体も太陽と一体化して、光そのものとなります。


太陽神の存思法と似た観想法で、月神や北斗星の存思法もあります。
 
プロフィール

morfo

Author:morfo
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